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  • 執筆者の写真CEO 鎌田 淳

レポート:社会的インパクト・マネジメント思考に基づく、事業計画サポート

横浜市における、「就職氷河期世代で非正規職で働いているシングル女性を支援する事業」を2021年度から実施するにあたり、その事業開発のための調査・分析・事業構築をすべく、公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会(以下、協会)をサポートさせていただきました。


前回公開した某NPOの事業計画づくり伴走支援とは違い、約8ヶ月に渡り、調査設計→調査(外部調査会社実施)→分析→事業づくりといったプロセスを丁寧に進めていきました。

※下図参照


当事者や文献、他自治体等の事例等の情報を各種調査から集め、それらの情報を、協会のみならず当該事業の委託元である横浜市政策局男女共同参画推進科職員の方々も交えて分析し課題を構造化し、「中心となる課題」を特定していきました。

そこで導いた中心課題は「収入が少なく、将来設計が描けない(見通せない)」こと。


次に、事業目的を設定するため、現在この課題に対して、公的(国、県、市レベル)、民間でどういったサービスが提供されているかを網羅的に明らかにし、そこで明らかになったのは、横浜市周辺においては、この課題に対するサービスがとても充実していること。

ただし、それらはそれぞれ独立したカタチで運営されており、重複するような事業も散見されました。

よって、協会が2021年度に実施する事業は、既にある支援サービスを新たに重複して作るのではなく、それらを活かしてコーディネートする役割・機能とすることが必要と考えました。

結果、2021年度の協会の事業は、支援対象者(横浜市内在住の就職氷河期世代の非正規職就業中でシングル女性)の個別の事情やニーズを綿密に把握するアセスメントと、それらに合致したキャリアカウンセリング、既存のサービスと足りていない(一部現時点で存在していない)サービスを組み合わせた、支援対象者ごとにオーダーメイド型の就活プログラムの提供であり、その後の伴走支援(メンタリング)であると結論づけました。


2020年度は、上記の結論から紐づいたロジックモデル作成や、各種活動プログラムの概要を整理するといった、事業計画策定まででしたが、ここまで丁寧にプロセスを踏んで、行政の事業を作っていくことは、なかなか無かったのではないでしょうか。


「就職氷河期世代の就労支援」となると、どうしても正社員になることをゴールに置きがちですが、昨今の就業環境の変化、正社員が必ずしも安泰とは言えない社会変化等踏まえ、私達は「正社員になること」はあくまでも選択肢の一つであり、支援対象者が望む働き方やキャリア形成を応援することに集約しました。


2021年度、協会がどういった活動を展開し、どういった成果が生まれるのか楽しみです。

決して、すぐに成果が出る事業ではないので、その点も行政は十分理解して、中長期的な視野で取り組んで頂きたい課題だと思います。


また、行政事業の組み立ても、是非こういった「社会的インパクト思考」に基づいた事業づくりを積極的に取り組んで頂きたいと思う次第です。









*横浜市記者発表


(公財)横浜市男女共同参画推進協会専用サイト

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